アイ・オー・ティー モバイル株式会社

IoT mobile  原田和政 IoT mobile  原田和政

ーー どんな案件が多いですか?
ここ1年で数々の企業さんに訪問させて頂きましたが、本当に各業種で課題は様々だなと感じましたね。例えば同じ工場系の「稼働状況の見える化」でも「生産性の向上を目指したい」工場さんと、「人材不足を補いたい」工場さんとがあって、同じ「見える化」なんですけど、提案するIoTは全く違うんです。生産性向上の場合は、基本的に機械の稼働状況ですが、人材不足の場合は従業員の動きを見える化する必要があるんです。ただ共通で言える事は、私達にご相談いただく企業さんの内、ほぼ100%は数年前から同じ課題を抱えているという事です。なので、私達がお話をお聞きするときには「もう3年前から悩んでるんです」とお話をされる企業さんもいらっしゃいますね。ただ、私達がお話しさせていただくのは、「ただの見える化では全く意味がない」と言う事なんです。スマホやPCに稼働状況を見える化しても、そのデータを活かす事が出来ない企業さんが多いのも事実なんです。「データは以前からとってるんだけど。。。」ただただデータの蓄積だけになってしまい、折角のデータもサーバーに保存してるだけでは何の改善にもならないんですよね。なので、私たちはそんな企業さんには「AI」の導入をご提案しています。膨大なデータを人間で解析する事は、不可能ではないですが効率が悪いんです。その部分をAIに託す事で数万、数十万を超えるデータも的確に処理が行えるようになり、本当の業務改善が出来るんです。
ーー IoTを提案するにあたり意識している所は?
はっきり言って、「ゴールを明確にする」事ですね。IoT導入って打ち合わせから始まり、導入まで数年かかる案件も珍しくありません。なので、途中でゴールが解らなくなり、いつの間にか「とにかくIoTを導入したい」に変わったりするんです。なので、課題とゴールは明確にする事を意識しています。
ーー 成功するIoTと失敗するIoTの違いはなんですか?
これは、以前神戸で講演させて頂いた事があるんですけど、社長の言う「IoTを導入しよう!!」ほど危ない物はないと思います。社長ってどうしても現場が見えていないんです。IoTって社長が使うものではなく、現場が使うんですよ。なので社長にヒアリングした後に、現場の方々に話を聞くと現場の求めている内容と、社長の言う内容が全然違うって事がよくあります。現場の方に「社長さんはここの部分にIoT導入したいと話されていますよ」と伝えると現場の方は「そこより、ここをIoTで効率化したい」って声がよく上がるんです。なので、社長の言うIoTをそのまま素直に作って納品したら一切現場が使わない。って事も珍しくないんです。大きな企業も、地方の小さな企業もIoTの成功の鍵は、「現場」にしか無いと考えています。
ーー 今、一番オススメのIoTはありますか?
今、私達が一番期待しているのは「オムツのIoT」ですね。5月の東京ビッグサイトで開催された展示会、Japan IT week 「IoT/M2M展」でも弊社のブースで打ち出しましたが、このIoTはオムツ内にセンサーを取り付ける事で、オムツ内の排泄物を感知してお知らせしてくれるんです。仕組みはいたってシンプルですが、このIoTは介護業界にとって革命だと思っています。年々、高齢者が増え続ける一方で、介護職で働く人は年々減っているの現状の中、課題解決は「作業負担の軽減」だと考えています。例えば、100床ある介護施設でオムツの排泄物チェックの作業が一切無くなるだけでかなりの作業負担軽減につながります。このIoTは自分が知る限り、他社さんには無いIoTだと思うので、是非広めていきたいですね。
ーー 今後、日本のIoTはどのように進化すると思いますか?
今、よくテレビなんかでは5Gという言葉を耳にするようになりましたね。実はこの5Gが世の中に普及すると、今までは通信速度や精度の問題で導入が難しかった車の自動運転など、一気に世の中のIoT化は進むと考えています。また、当グループではLPWAに着目しています。これも5Gと同じで、今までは電池の持続力が課題で断念してきた案件も、LPWAになる事で一気に普及が広がるでしょうね。今回、新製品のデバイス「ASO」は、この5GやLPWAの普及を見込んで対応ができる様に設計してるんです。
ーー これからIoT導入を検討している企業の方へ一言
まずは、今まで抱えている課題を整理して優先順位を明確にする事をお勧めします。私たちと話してる途中に「あ!これもしたいんです」ってなる企業さんは少なくありません。まずは御社の課題と目標を明確にしていただき、私達の様なIoT業者にご相談されると、こちら側からのご提案がスムーズになりますね。それと、IoTは提案する会社によって大きく金額が違います。同じ案件でも数千万と数百万の開きがある事だって珍しくありません。なので相見積もりはした方がいいですね。特に低予算での導入を希望される場合、弊社の様な「デバイス」や「SIM」、「クラウド」を全て自社内で開発提供が出来る企業をお勧めします。「クラウドは作れるけど、デバイスはありません」っていう場合、その会社さんは弊社のようなデバイスを持つ会社から仕入れて販売するので、当然割高になってしまいますよね。
ーー 今後の展望や目標は?
2017年に創業してまだ2年目の会社ですが、昨年度で数多くのご依頼をいただいたので今は、その案件に対して最善の提案をする事ですね。私達は従業員数百名を抱える大企業ではないので、対応できる企業さんの数も限られていますが、縁もあり弊社と出会った企業様に「IoT mobileと出会えて良かった」そう言ってもらえるように今年は更に頑張るだけですね。

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Profile
原田 和政

IoT mobile  原田和政

1982年生まれ。
佐賀県伊万里市出身。
伊万里商業高等学校卒業後、福岡のアパレル会社に就職。
新店舗オープンの為、熊本に転居。退職後、地元の出版社に転職。
2010年編集長就任、2013年社長就任、2017年企業売却。
同年新会社IoT mobile株式会社を設立。