アイ・オー・ティー モバイル株式会社

令和時代の始まり IoT業界の変化と進化 令和時代の始まり IoT業界の変化と進化

新元号「令和」の時代に突入し、更なる進化を遂げ続けるIoT。
5Gを始めLPWAなどの様々な通信が乱立する中、各企業に適したソリューションの提案を続けるIoT mobileの代表原田が考える「これからの時代で活きるIoTとは何か?」そして 、「枯渇化するIoTとは何か?」現場の最前線で企業の課題と向き合っているからこそ感じるそれぞれのポイントを取材した。

ーー 現場に耳を傾けることが一番大事
原田 和政 (以下原田) : 私たち、IoT mobileは2017年4月に創業して今年で3年目のベンチャー企業です。創業翌月の5月に東京ビックサイトで開催された「Japan IT Week春」の「IoT/M2M展」が初出展だったんですが、その時は来場者の方も「社長にIoTをやれって言われて来たんですけど、IoTってどんなことが出来るんですかね?」と言った様な、まだまだフワッとした印象をお持ちの方が多かった様に感じました。しかし、その半年後の秋の同展示会や、翌年春の同展示会と出展回数を重ねる毎に、自社の課題や目的意識をはっきりと持った方の来場が徐々に増えていった様に思えます。自分も展示会が終われば名刺交換をさせていただいた数多くの企業様を回るのですが、そこで感じるのは意外とゴールが明確ではない相談が多いです。
例えば、「工場内の従業員の移動履歴を見える化して作業効率を上げたい」という相談は結構あるのですが、この時に自分はこう聞くんです。「移動履歴を見える化して、どうやって作業効率を上げるんですか?」って。実はこれって皆さんがやりがちなIoTなんです。何でもいいからデータを取って業務改善って考えるんですよ。けど、移動履歴を見える化しただけでは作業効率は絶対に上がらないんです。だって、従業員の皆さんは用もなく工場内をウロウロしている訳ではないですからね。必要があって歩いてるのに、上司から移動履歴を元に業務改善なんて言われても現場はなかなか理解してくれませんよ。じゃぁどうすればいいかって話なんですけど、まずは現場の皆さんの声に耳を傾けることです。「今、働きづらさを感じてる所はどこなのか?」「日常業務の中で、時間を要している所はどこなのか?」って。そういうヒアリングをしていくと最初は考え込んでる現場の方々も「この作業が時間かかるんだよね」とか「この作業は人が多く必要なんだよね」って声を出してくれます。その声にこそ、IoT成功の鍵が隠されているんです。
例えば、今まで30分要していた作業を、RFIDを導入することで3分で完了するとか、今まで5人要していた作業を、このセンサーを使うことで1人で済むとか。これこそがIoTの本質だと思います。
ーー あまり先を見据えた導入計画は意味をなさない
原田 : たまに「大きな予算をかけて、3年化計画のもとにIoT導入を考えてる。」って会社さんもありますが、今のIoT時代に3年先を見据えるなんてことはかなり難しいと思います。だって、今ではよく耳にするLPWAだって3年前にはほとんどの人が知らなかったじゃないですか。まさかボタン電池で数年の持続力を持たせる通信が出るなんて誰も予想しなかったと思いますよ。だから、あまり先を見据えたIoTを考えるより、まずは簡単にそして安価に構築をして、現場に導入する。そして運用を行いながら機能を1つ1つ追加し、改善して徐々に自社に合ったIoTを作っていく。これこそがベストなIoTなんじゃないかなって思うんです。私たちは創業間もないベンチャーです。従業員も少ない。正直資金も多いとは言えません。ですが、これほどまでに弊社が実績を積んでこれたのは、この考えがブレずにお客様に提案し続けて来たからだと思ってます。

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ーー IoTを提供する会社はベンチャーを選べ
原田 : ベンチャーが言うのもなんですが、IoT導入を支援する企業は僕はベンチャーがオススメですね。何故かと言うと圧倒的にスピード感や柔軟性が違うからです。ベンチャーは会社が小さい分、上司の決済や、会社方針的な縛りが少ないんです。だから「この提案がこの会社さんの為になる。」と思えば即実行できるんです。このスピード感はベンチャー特有と言っていいんじゃないでしょうかね。
ーー 何故、IoT mobileは社長が営業に回るのか?
原田 : 自分は1年間に訪問する会社の数はざっと計算しても1年間で200社を超えます。この200社を超える会社に訪問しても、全く同じ課題って実は1つもないんです。似た様な課題は多いですよ。作業効率や見える化をテーマにした相談がメインですが、全く同じ案件って実は1つもないんですよ。面白いですよね。企業規模、従業員数が各社違う様に、課題も各社微妙に違うんです。だから毎回毎回学びにもなるし、ワクワクして訪問させていただいてるんです。平均1時間の打ち合わせの中で、自社の課題を聞かせていただき、概要ででもその場で提案させていただく。その提案に興味を持っていただければ、よりイメージが湧いてもらえる様に提案書を後日提出する。そうやって課題解決のために一緒に悩み挑戦していくんです。こんな楽しいポジション辞められませんよ。だから自分が1社1社訪問させていただくんです。
ーー IoT mobileの考える令和時代のIoTとは?
原田 : やはりLPWAは外せないでしょうね。今回弊社からも新しいデバイス「TAMANA」が出ましたが、これはソニーのLPWA「ELTRES™」を受信できるデバイスです。やはり今まで数々の企業を回ってきて、「導入費用」の課題も多いのですが、一番多いのは「ランニング費用」なんです。今まではシムでしたから、月額1,000円程度がデバイス1台あたりにかかっていましたが、LPWAの場合だと月額100円程度の通信料金を叶えますからね。これは革命だと思います。今まではランニング費用の部分で導入を諦めていた企業様も、これをきっかけに導入が加速すると考えています。LPWAに関してはソニーのLPWAだけではなく、他社のLPWAもありますが、弊社はソニーのLPWA「ELTRES™」を推奨しています。まず何と言っても通信品質がとてもいいです。通信距離が100km以上可能だったり、時速100km以上で移動している状態でも通信が可能ですからね。どんなに使いやすい上位システムを構築しても、通信が切れてしまえば全く意味をなしません。そう言う点でもELTRES™は非常にパフォーマンスの高いLPWAだと感じています。
これから日本はさらなる人不足に悩まされることは明確で、AIの導入を騒がれていますが、これは、今後普及が見込まれる5Gによってさらなる加速を見せることでしょう。車の自動運転やドローンでの配達。令和時代はとては、現代を生きる私たちにとって実に面白い時代になると感じています。

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Profile
原田 和政

三井住友海上火災保険 海損部 リスクコンサルティングチーム長 桶田一夫

IoT mobile株式会社
代表取締役

1982年生まれ。佐賀県伊万里市出身。伊万里商業高等学校卒業後、福岡のアパレル会社に就職。新店舗オープンの為、熊本に転居。2008年熊本の出版社に転職。2010年編集長就任、2013年社長就任、2017年新会社IoT mobile株式会社を設立。2018年2月東京支店を立ち上げる。

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