アイ・オー・ティー モバイル株式会社

使い勝手と機能性の両立! 温度っちがもたらす革新的な効果とは 使い勝手と機能性の両立! 温度っちがもたらす革新的な効果とは

ーー 温度っちの開発に至った経緯や背景について教えてください。
弊社は、以前からIoT関連の展示会へ出展をしていましたので、様々な業界のお客様からIoTに関するご相談を受けていました。その中でも、特に多かったのがHACCPに関連する「冷機器の温度管理」に関するご相談です。相談内容は実にシンプルで「手書きの温度管理を辞め、IoT端末を用いて自動で温度管理を記録したい」というものでした。
詳しく話を聞いてみると、「市場には既にその様な温度管理ソリューションがいくつかあるものの、初期費用やランニングコストが高額で、導入することができない」という事でしたので、自分達なら手軽でリーズナブルな温度管理ソリューションを提供することが出来ると考え、温度っちの開発に取り組むことにしました。
ーー 開発まではどんなことが大変でしたか?
一番大変だった事は「コストカット」ですね。
開発するにあたり、実際に食品工場やスーパーマーケット関係者の方々にヒアリングをさせていただいたところ、「温度センサー1台が月額500円以内なら」という声が一番多かったんです。であれば、「温度センサー1台を月額350円で提供できればきっと喜んでいただける!」と考え、価格を350円に決定したんですが、これがかなり苦労しましたね。社内会議で「温度センサーは1台月額350円で貸し出したい。電池は10年持たせたい。防水で小型がいい。」なんて条件を出したら、技術者達から即答で「絶対無理です」と言われてしまいましたね。自分は技術者ではないので、かなり無謀なことを言ってたんだなぁって今になって反省してますよ。
それでも、技術者達が世界中から半導体や電池を集めて30台以上の試作機を作ってようやく今の温度っちが完成したんです。
最初の試作機なんて、電池の持続期間は1ヶ月程度でしたから、そう考えると今の温度っちの電池稼働10年って凄いなって思いますよ。
ーー サービスリリースしてお客様の反動はどうですか?
お客様からのフィードバックは非常に好評でした。と、いうより予想以上の反響で驚きましたね。
温度っちをリリースしたのは2021年11月1日で、そのタイミングでプレスリリースを出したんですが、約50社程のメディアに取材いただいたので、発売日当日から多くの企業様よりお問い合わせを頂きました。事前に一定程度の需要があることは予想していましたが、その予想を遥かに超える反響があったので、正直驚きました。
特に印象的なのは、過去に冷蔵庫の温度管理システム導入を検討していたが、他社の製品では費用感が合わずに断念していたお客様からのお問い合わせがとても多かったですね。実際にリモートで製品説明をした際には、ほとんどのお客様から「何でこんなに安いんですか?」とか、「2年目以降価格が上がりますか?」と言ったご質問の多かったです。
なので、自社開発である点や、機能を絞って開発している事で、低価格化を実現している点をご説明するとご納得頂き、無料トライアルの後に即導入を希望する声が多かったです。その結果、ローンチしてからわずか2ヶ月程度で初期製造分は全て完売してしまいました。

使い勝手と機能性の両立! 温度っちがもたらす革新的な効果とは 使い勝手と機能性の両立! 温度っちがもたらす革新的な効果とは

ーー どのような業界の方がご利用されているのでしょうか?
ご利用いただいているのは、食品工場や給食センター、セントラルキッチンや百貨店、ケーキ屋さんや道の駅まで様々です。その中でも圧倒的に多いのは食品工場ですね。食品工場に関しては、30名以下の小規模な食品工場から100名以上の大型工場まで多くの食品工場でご利用いただいています。
特に、食品工場の場合ですとプレハブ型(ウォークイン型)の冷機器内の温度管理をしたいというニーズが多く、このプレハブ型の場合、厚みがある分電波が外まで飛びにくい点があるのですが、温度っちはプレハブ型の中に温度センサーを入れても庫外まで電波を飛ばすことが出来るので、非常に喜ばれています。
その他、配送車両の荷台の温度管理でご利用されているお客様も多いですね。実際、埼玉の小中学校に給食を配送されているお客様の場合、配送中の荷台の温度を管理したいということで導入いただきました。この場合は、親機をシガーソケットかモバイルバッテリーに繋ぐことで温度管理が可能になるんですよ。
この他ですと、最近は百貨店やレジャー施設への導入も増えてきましたね。百貨店やレジャー施設の場合、バレンタインやクリスマス時期なんかは終日お客様が多く来店されるので、定刻に温度記録をするのが難しいとのことでした。また、百貨店やレジャー施設の特性として施設面積が広いので冷機器が広い範囲に点在していることもあり、温度管理が非常に難しいが、弊社の温度っちは上手く対応できたので導入いただいています。
導入いただいた企業様を取材させていただいた際には、温度管理が手書きから完全に自動化されたことで、現場の作業負担が軽減され、大変喜んでいただけていましたし、シンプルな操作性が高く評価され、非常にうれしく思っています。
ーー 温度っちの事業の今後の展開を教えてください。
今後の展開としては、まずは既存のお客様に対して安心していただけるサポートを継続的に提供し、顧客満足度を高めることが重要と考えています。
温度っちはまだ生まれて2歳のソリューションですから、人間だとようやく二足歩行ができる様になった程度です。これからお客様の声に耳を傾けながら、もっとより良いソリューションに育てていきたいと考えています。
一方で、今後は全国の食品関連や衛生関連の展示会に積極的に出展し、新たな顧客獲得にも力を入れさらなる事業拡大を目指したいと考えていますし、自社だけで展開するのではなく販売パートナーとの連携を増やす事で、事業拡大を目指していきます。

温度っちの料金表 温度っちの料金表

原田 和政 原田 和政

Profile
原田 和政

IoT mobile株式会社

IoT mobile株式会社
代表取締役

1982年生まれ。
佐賀県伊万里市出身。
伊万里商業高等学校卒業後、福岡のアパレル会社に就職。
新店舗オープンの為、熊本に転居。退職後、地元の出版社に転職。
2010年編集長就任、2013年社長就任、2017年企業売却。
同年新会社IoT mobile株式会社を設立。

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